レキシントンの片隅で

アメリカ、マサチューセッツ州レキシントンのはじっこに住んでいます。

個人懇談2

個人懇談、次は次男のELL。

「彼もよく頑張っています。お兄ちゃんを見ているのでしょう」

「文法はまだまだ分からないところがたくさんあるけれど、

それでも来た時からはずいぶん進歩しています」

 

とりあえず、たくさんほめてくれる。

イギリスの小学校の先生は「もう許してくれ」と思うほど褒め殺ししていたが

ここはそこまではやらない。

 

「ELLの男子はみんな仲が良くて、お互いにすごく助け合っています。

何かわからないことも聞きあったりして、実に微笑ましいです。」

 

どうやらここでも次男は友達に恵まれているらしい。

日本人がいないので、英語のわからない外国人同士、どうやっているのか謎だが

とにかくみんな優しい子が集まっているようだ。

 

何か質問はないかと聞かれたので、私は聞いた。

「先生は以前、母国語の勉強を決してやめてはいけないと言ってましたね。

今、自宅で子どもたちが日本語の勉強をすることを嫌がり始めています。

どうやって勉強するように話せばいいでしょうか?」

 

「だって、あなたたちはいつか日本に帰るでしょう?

帰った時にその年齢にふさわしい母国語の力がないと生活に困るからです」

「でも、長男はずっとアメリカで生活すればいいと言っています。」

「ほら、彼はサッカー選手になりたいんでしょ?

勉強していないと、有名になってインタビューされたときに

変な日本語を使っちゃうわよって言って。」

 

長男、単純だから「それもそうやな」って言いそうだ。

 

もう一つ質問があった。

次男はいつも日本語の本を読んでいます。長男はそれを見て、

英語の本を読むように言います。そうしないといつまでも英語がうまくならないと」

「私はそうは思わない。もちろん英語の本も読んでほしいけど。

外国語の環境にずーっといるとすごく疲れるのよ。

だけど、そこで日本語の本を読むと脳が休憩できるから、すごく大切なことだと思う」

「それに、日本語の勉強ができなくても、最低限本を読み続けていれば

語彙も増えるし、日本語は成長できると思う」

 

ふむふむ。。

 

「私も日本にいたとき、ずーっと第二外国語にさらされていると本当に疲れたわ。

でも、そのとき英語を読んだり聞いたりするとすごくリラックスできたのを覚えている」

 

先生は短い間だったが、新潟にいたことがあるそうだ。

だから、日本語も少しだけわかる。

その経験から、不自由な言葉の中で、外国で生活する大変さを十分に理解していて

子どもたちの状況に共感できる部分があるのだろう。

 

そういえば、イギリスの小学校のELLの先生もギリシャから来た人だった。

子どものころ、トイレの場所も聞けずに困ったのだと言っていた。

言葉のわからない国に住むという苦労をよく理解していてくれたのだと思う。

 

親切な先生のおかげで、個人懇談の一つのヤマを越えることができた。

話し方もはっきりしているので、本当に聞きやすい。

耳慣らしもできた気がする。

 

さて、次は主要教科へ!

 

 


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個人懇談1

懇談の日、子どもたちは休みだった。

そりゃ、朝から懇談やってるんだから、そうなるわな。

 

時間と教室の位置を確認し、夫と出かけた。

最初はELL。

この先生はすごく親切で評判がいいが、本当によくしてくれている。

兄弟2人分の枠を続けて取っていたので

「どっちからする?」と先生に聞かれた。

「では長男から」

 

先生は授業で使っている本やプリント、作文やそれを添削したものなどを

説明しながら見せてくれた。

「これは最初に書いた作文です。おかしいでしょ。

この時からずいぶん上手になりました」と言って見せてくれたプリントには

「My brother is sticker」と書いてあった。

「私の弟はシールです???」

一応、中1は終わってきたのだが・・・。

「彼はまだここに来て6か月でしょ?それなのに本当によくやっています」

とにかくほめてくれる。

何か気になっていることはないかと聞かれたので

科目の英語のことについて聞いてみた。

Writing の成績がDになっていたのだ。

理科はメール相談の結果、下駄をはかせてくれることになって

英語もそうなったはずなんだけどな・・・と。

 

すると先生はびっくりすることを言った。

「私は彼に読み取りテストを減らすことや、作文のテストを減らすことを

提案しました。でも彼は『自分はみんなと一緒でいい。がんばる』と言った」と。

 

ひえー!!すごいな我が息子!

 

「私はあの英語の先生は8年生の中でも最も高いレベルを要求する先生だと思います。

その先生の授業で、彼はこの国で生まれ育った人たちと一緒に勉強し、テストを受け、

評価された。たった6か月しかこの国にいないのに!」

「彼の成績はDだけど、このDは素晴らしいDなんです!」

 

確かにそうだ。

先生、いいこと言うなあ。。

いい成績を取らなきゃいけないってずっと思っていたけど

結果だけ見ていても仕方ないんだな。当たり前だけど、しみじみ思った。

 

この件に関しては、帰り道に夫と話した。

「長男、すごいな」

「自分だったら、絶対テストも減らしてもらいたい」

「頑張ってるな・・・」

 

家に帰って、長男に言った。

「あんた、英語のテスト減らそうか?って言われて、

頑張るから減らさんでいいって言うたらしいな!すごいな!」

 

「え?なんのこと??そんなん知らんで」

 

何だか意思の疎通に問題があって、誤解が生じていた模様です。。

 

 


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謎の電話

今、iPhoneを使っているのだが

電話がかかってきたら、どの地域からかかってきたかわかる。

絶対関係ないと思われるところからだったら

私は出ないことにしている。

 

先日、電話がかかってきた。

マサチューセッツ、デッダムとの表示。

デッダムには何の縁もない。

サッカーチームの練習場がその近くだが、それだけだ。

でも、それがちょっと気になって電話に出てみた。

 

「ハーイ、〇〇、How are you?」と

私の名前を呼んだ。何の知り合い?

グッド、サンキューと答えると相手はつらつらと話し出した。

 

しかし、これがまた活舌悪く、というか

私のヒアリング能力では対応できない流暢さで

びっくりするぐらい、本当に一言も聞き取れなかった。

最後に疑問文で終わっていたので

向こうは私の答えを待っている模様。

 

「ごめん、私、あなたの言ってること全然わからなかった。

もっとゆっくり話して。」

 

「えーと・・・〇〇〇、▽▽▽、・・・寄付の・・・・」

 

寄付ってとこだけ入ってきた。

何だろうと思っているうちに電話が切れた。

 

それがまた昨日かかってきたのだ。

今度はもう出なかった。

運転中だったし。

 

さらに今朝もかかってきた。

出なかった。

こんなに何度もかかってくるということは

何か用事があるのかと心配になって

表示される電話番号を検索してみた。

アメリカ赤十字だった。

 

以前、献血しようと申込したときに

電話や名前を書いていたので

かかってくるのもわかる。

 

寄付というのが献血を指すのか

はたまた歳末助け合い的なものを指すのかわからない。

でも、電話で寄付をお願いされてもよくわからないし

そもそも聞き取れないと思うので

明日かかってきても、きっと出ないだろう。

 

 


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あの場所に帰りたい

アメリカが嫌だと思うことはしょっちゅうだが

日本に帰りたくて仕方がないと思うことは、それほどない。

家族で住んでいて、日本語を話す友達もいて

ほどほどに息抜きできているからだろう。

 

でも、先日、とても日本が恋しく涙が落ちそうになったことがある。

 

私はダンスエクササイズが好きだ。

あるクラスのM先生が大好きになって途中1年抜けたものの

トータル7年通っていた。

別のクラスのA先生も好きで3年は通っていた。

 

あくまでもスポーツクラブのダンスエクササイズクラスなので

本格的なダンスではない。

しかし、ほどよく踊りも楽しめ、運動にもなるというところが気に入っていた。

 

同じ名前のクラスでも、担当の先生が変わると雰囲気は全然違うし

同じ先生でもクラスの年齢層によって、全然違う雰囲気になる。

だから自分の好きな先生のクラスを見つけて、そこに通うのが楽しかった。

 

M先生はドラマチックな振り付けをする人だった。

「先生が動いていると、まるで映画を見ているようで・・・」と言っていた人がいた。

私も同じように思っていたので、他にもそう思う人がいたかもしれない。

年は自分よりも10くらい上だったし、ボンキュッボンとかではない少年体型なのに

衝撃的な色っぽさがあったのも素敵だった。

こういう人になりたいと思いながら通っていたのだと思う。

 

A先生はまた別のクラスなので、まったくM先生と比較はできないし、

振り付けも完全に決まったものだったのだが

動きの端々に先生の個性がちりばめられているのがかっこよくて大好きだった。

 

ある日の朝、アパートのジムに行った。

誰もいなかったので、音楽チャンネルを自分好みのものにして

黙って筋トレなどしていた。

すると、かつてM先生のクラスでやったことのある曲が流れてきた。

音楽には不思議な力があるようで、

曲を聞いた当時の様々な思い出が一気によみがえってくる。

ドラマチックな振り付けや先生の姿、

一緒にクラスを受けていた人たち、

とても懐かしく、恋しくなり、

同時に自分が独りぼっちな気がして、涙が出そうだった。

あのクラスに帰りたいと思った。

大好きだったんだなーと再認識。

でも、昔を懐かしんでも何も帰ってこないので

今日も一日どうにかやっていこう。

 


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個人懇談の予約

先日ミドルスクールの個人懇談があった。

日本と違うところは、自分で予約を取るところ。

何月何日の朝6時にサイトがオープンしますとのアナウンスがあった。

油断してると枠がなくなっちゃうのよと聞いていたので、緊張していた。

ビックリすることに、全員分の枠はない。

 

さて、その日、朝5時過ぎに起きた。

「6時オープンとか言うて、大雑把なアメリカ人のことやし

多分、だいぶ前に開いてるんちゃう?」と勝手に想像し

5時半過ぎに開けてみたら、まだ空いていなかった。

 

朝ごはんの支度などしながら、時々のぞいていたら

6時5分前に開いているのを発見した。

慌てて作業開始するも、ログインでつまづき。。

事前登録とかいらんて言うてたやん!!と文句言いながら

パスワード再発行依頼のメールを送る・・・。出遅れたわ。

 

枠は主要教科(英語、数学、社会、理科)で1枠、その他は各教科ごとに1枠ずつ。

とりあえず、主要教科とELLを押さえようと思った。

無事に6時10分にはログインできた。

すると主要教科、すでに朝早いほうから枠が埋まってきている。

しかし、私は夫の都合で午後希望だった。

午後はガラガラ。

兄弟で重ならないように、待ち時間が長すぎないように押さえた。

次にELL。こっちも午前中が人気だ。

兄弟で同じ先生なので、続けて2枠押さえた。

あまり考えずに主要教科より前の時間を押さえたが、

後で正解だとわかった。

 

とりあえず最低限の枠を押さえることができたので

肩の荷が下りてほっとした。

しかし、問題は懇談そのもの。

英語が苦手だからなー・・・。

先生4人に囲まれて、一方的にぶわーっとしゃべられるって

そんなん、無理やろー。

 

子どもの教育に対する姿勢を示すという点から

夫婦で行ったほうがいいよと勧められたが

それ以前に、一人では全くよう行かんわ。

 

夫は自分だってわからんと言うけど

私と違って毎日英語を話し、仕事もしているのだから

二人で行ったほうがよっぽどマシに違いない。

 

何だか毎日何か山を越えている気持ちになる。

ひとつずつやっていくしかない。

 


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ブラックフライデーその後

ブラックフライデー、私には何の恩恵もなかった。

子どもたちが服と靴を、夫が靴を買った。

家に帰ってから、子どもたちの買ったものを着てみると

長男の買ったフリースジャケットがすごくあったかかった。

小さいサイズを見てみたらよかった。

次男の買った10ドルの裏フリースのフード付きトレーナー、

これがすごくあったかく、サイズもぴったりだった。

次男と私はほぼ同じ大きさだと、どうしてその時気づかなかったのか?

私もこれ、欲しかったわ。

 

さて、サンクスギビングホリデー明けの昨日。

次男がまた学校に行きたくないと言い出した。

理由はサッカーで疲れているから。

次男は日曜日に2試合あったのだ。

そこでたくさん走ったので疲れが取れていないとのこと。

 

本当はその理由ではないかもしれない。

でも、前とは事情が違うので

「そういう理由は認められへん。サッカーやめるしかない」と言った。

次男はしばらくうだうだしていたが、

「帰ってきて食べたいおやつある?」などと聞いているうちに

気がまぎれたようで、結局学校へ行っていた。

新しい靴をはくのもうれしかったようだし。

 

帰ってきた子どもたちが言っていた。

「今日、下見て歩いてたら、新しい靴の子めっちゃおったわ!」

みんな、買うてもろたんやろね~。

 

長男は服も新しいのを着て行った。

学校で同じデザインの色違いを着ている子がいたそうだ。

服を指さして「Black Friday?」と聞くと

Black Friday!」と返ってきたそう。

みんないろいろ買ってもらったんやね。

 

朝は学校に行きたくなかった次男だが

めっちゃいいことがあったという。

以前、遠足でお昼を一緒に食べたときにたい焼きをくれた子がいたのだが

その子がランチの時に、またものすごく素敵なものをくれたのだと言う。

「絶対、当たらんと思うけど、当てて!」

ブラックサンダー?」

「ちゃう」

「どら焼き?」

「ちゃう」

 

「正解は・・・東京ばな奈でしたー!めちゃうまかった!!!」

 

その子は韓国人らしいのだが、お父さんが出張でも行ったのか?

ELLの子でもなく、英語はペラペラだそう。

何だか気が合うところがあると思ってくれているのだろう。

優しくしてくれているらしい。

 

今日は学校休まなくてよかったね!という結論になった。

 


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友達になる人

今のアパートは日本人が住んでいるので

子ども同士はもちろん、親も仲良くしてもらってる。

子どもは同級生でなくても一緒に遊んだりする。

みんないい子で意地悪したりされたりということもないと思う。

 

自分が子供のころのことを考えてみた。

小学校は1学年5クラスだった。

中学校は1学年10クラス。ついに知らないままの人もいた。

高校の時は1学年12クラスだったかなあ。もう覚えてないけど10以上はあった。

とにかく、ものすごくたくさんの同級生がいて

その人たち全員と知り合いになったわけではないけど

同じクラスになったり、同じクラブになったりして

気の合う人を見つけていったんだろうな。

 

それと比べて、今の息子たちの状況。

外国人でも仲良くなる子もいるけど

やっぱり日本人と一緒にいることが多い。

それは言葉に気を使わなくて済むからだと言っていた。

そしてそれはすでにELLを卒業している子もそう言っていた。

 

今の友達、いい子たちだけど

もしも何百人といる同級生がいたとしても友達になっただろうか?

次男は学校に日本人の仲良しの子がいないので

長男に聞いてみた。

 

「うーん、それはどうかわからん」とのこと。

「でも、一番仲がいいというわけではないかもしれんな」とも。

 

確かに今までの長男の友達にはいなかったタイプの子もいる。

でもそれで嫌々付き合っているわけではなく、機嫌よくやっている。

長男はもともと誰とでも仲良くできるタイプなので

そのあたりのストライクゾーンと言うか、許容範囲は広いほうなのかもしれない。

 

ここに来て、数少ない日本人と出会って、今までは友達にならなかったタイプの子と

友達になれたのだとも考えられる。

 

どっちがいいとか悪いとか言えることではない。

ただ、友達に恵まれたという事実に感謝するだけだ。

 

 


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