レキシントンの片隅で

アメリカ、マサチューセッツ州レキシントンのはじっこに住んでいます。

運転免許 - ドライビングレッスン

筆記試験合格後、路上試験の予約が取れたのが1か月後だった。

その数日前にドライビングレッスンの予約もした。

テストのポイントなど教えてくれるということで

一回受けといたほうがいいだろうと夫が言われ、

実際に受けてよかったと思ったそうだ。

 

申し込みをしたのはブルックラインドライビングスクール。

ぎりぎりの英語で何とか電話をかけ予約をしたのだった。

なぜここにしたかと言われると、特に理由はなく

夫の会社の人たちがここで受けているからという、それだけのことだった。

 

当日は朝から夫が送ってくれた。

片道30分くらい。

10時からだったけど、15分前くらいに着いた。

 

めちゃくちゃきれいな女性が受付してくれて、しばらく待った。

奥の部屋では、わからない言葉で男の人たちが会話している。

じーっと待っていると、キツめパーマで赤いロングヘアの個性的な女性が来た。

特にあいさつもなく、外へ出るように手で指図。今日の教官だった。

 

車に乗って、名前とか仮免とか確認された後、装置の説明。

ワイパー、ウインカー、フットブレーキ・・・。

早速路上へ。

車通りの多い道に面しているので、なかなか出られない。

しかも駐車車両があるので、確認できない。

ちょっと前へ出ようとすると、あぶない!とブレーキを踏まれた。

「えっと、ここにおっても見えへんねんけど・・・」

 

何とか出て行った。

出てすぐに、お店の駐車場から出てこようとしている車がいたので、道を譲った。

「なんで、あんたが止まるのよ。あんたに優先権あるんだから止まらなくていいの!」

と、怒られた。

「えっと、こういう譲り合いで世の中うまく回ってるんじゃないのん?」

制限速度30のところを、29から31くらいの感じで走っていると

「ハニー!何をそんなに急いでいるの!あんた速すぎるのよ!」

アナログのメーターだから、きっちり数字はわからないけど

そんな怒られなあかんほどスピード出してないけどな。

路駐の多い道を走っていたら、

「停まってる車に当たるやろ!」とぐいっとハンドルを動かされて

車線中央に行かされたりもした。

「えっと、あの先カーブやし、対向車来たら嫌やん・・・」

信号で止まるときも、「前の車にぶつかるやん!」とギュッと急ブレーキ踏まれた。

十分減速してたし、あと1秒かからん内には止まる予定やってんけどな・・・。

ブレーキの感覚は人それぞれなので、彼女と私とで距離感の違いがあったのだと思う。

でも、そんな怒られなあかんほど前の車に近づいてないと思うねんけどな。

 

とにかくずっと怒っていた。

私が英語をよくわからないことにもイライラしていたようだ。

でも、めちゃくちゃキツイ訛りやったから、ハードル高かったんよ。

「pull over」という単語がわからなくて困っていたら

ハンドルをぐいっと動かされて、路側に寄せて、ぎゅっとブレーキ踏まれ

エンジンも切られた。

「あんたはスピードを出しすぎるし、運転が全く信用ならない。〇×$#&・・・」

教官は降りて行った。

「まさかの教習中止か?」と思ってどきどきしていると、コーヒー片手に戻ってきた。

自分のコーヒー買うのにそんな停め方する?

来る前に買うときいや。

「pull over」って止まれってことなの?と聞くと

両手を広げて「これだから英語のわからん人は!!」的なジェスチャーをされた。

もう、とにかく感じ悪いねん。

 

その後も始終ブレーキを踏まれ続けながら、住宅街に入り

バック走行、3点ターン、縦列駐車の練習をした。

バックでは路側を下がっていくのだが、雪の塊が落ちており、

それをよけようとハンドルを動かすと怒られた。

雪を踏んでも怒られた。

しつこく聞いてみたけど、結局どうしたらいいのかわからないままだった。

向こうはもう何言ってもダメだって態度。

縦列駐車はハンドルを切るべきところで、彼女が指示を出し

そのポイントも教えてくれなかったので、

ついに一人でできるかどうかわからないままだった。

3点ターンもずっと怒られながらやっていた。

なんでそんなに怒るんだろう?

 

私ももうすっかり気力がなくなって、返事をしないことにした。

言ってることがわからないんだから、返事のしようもないし。

悔しいことに、「あんたはロードテスト落ちる」ってところはわかるねん。

 

その後はひたすら市街地走行。

そのときにやっと怒られていた理由が一つ分かった。

「あんたは練習生なんだから、制限速度のマイナス5で走りなさい。」

「30なら25で、25なら20で。この車が教習車ってことはみんな見たらわかるんやから」

そういうことは最初に言うて欲しかったわ。知らんやん。

 

市街地走行の途中、右行け、左行け、と言うほかは

ずっとショートメールを送っていた。

こんなんレッスンちゃうやん。

お金払って、ポイントも教えてもらえんと、怒られっぱなしってどんな罰ゲームや!

 

車はある高校の前で止まった。

高校生らしき兄ちゃんが2人待っていた。

運転手交代と告げられて、私は後ろに行った。

本当にどんよりした気持ちだった。

 

運転している兄ちゃんも、早速怒られていたので

そういう人なんだろうと思う。

ただ、英語は普通に理解していたので、ネイティブには通じるようだ。

 

出発地点に送ってもらっている途中で

試験のポイントが書かれた紙をくれた。

「これをしっかり読んどいて。ロードテスト頑張って」

「サンキュー」

「ユア ウェルカム」

 

最初っから、このくらいの態度で接してほしかったわ。

 

つらかった。

 

家に帰ってから、ブルックラインドライビングスクールの評判を見ると

良し悪しがはっきり分かれていた。

夫はどうやら当たりの人だったらしい。

私は完全ハズレだ。

しかし、読んでいると、どうやらもっとひどい教官もいるようだった。

その人じゃなかっただけマシか。。と自分を元気づけた。

 

アメリカ、日本より、人による当たりはずれが大きすぎる。

 

 


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