レキシントンの片隅で

アメリカ、マサチューセッツ州レキシントンのはじっこに住んでいます。

運転免許 - 路上試験2

ロングのダウンを脱ぎたかったが、そんな時間もなく

車に乗り込んだ。白のセダン。日本車。

試験官は「ザ・アメリカン」なちょっと赤毛の人だった。

スポンサーの兄さんは、サングラスをかけていた。

 

「やあ、今日はどうだい?」

「どうも、いい感じです。。」

シートベルトをして、シートの位置、ミラーの調整をする。

「あんた、日本人だね。日本の免許は持ってるの?」

「持ってます」

「どのくらい?長いこと?」

「もう20年以上かな」

「そっか、そりゃすごい。じゃあ、後ろ確認してから出発、右に曲がって」

 

あれ、ハンドシグナルせえへんの?

寒いし、窓も開けたくないんかな?

そういえば、誰もやってなかったな。

 

路駐の多い住宅街をとろとろと走っていく。

ていうか、狭いし、とろとろとしか走られへん。

「ほな、この先右。日本語でなんて言うんだっけ?」

「ココミギ」と後ろの兄さんが答える。

「じゃあ、ココミギ」

「日本語知ってるの?」と聞くと

「いや、後ろの彼が知ってるんだ」

「チョットダケ」(後ろの兄さん)

 

「日本はどこに住んでいたんだ?」

「大阪です」

「へー、今はレキシントンだろ。いい街だよね。」

 

「おっと、あの車、練習中なのかな?ちょっと車止めてくれる?」

微妙な動きをしている車の横につけた。

試験官は窓を開けて、隣の車の人に尋ねた。

「君ら、運転の練習してるの?」

「いいえ、違います。〇×#$%&・・・」

「いいよ、進もう。ココミギ」

私の前に出て行った兄さんの教習車が見えた。

 

「今は働いてるの?」

「いいえ、労働許可を持っていないんで」

「そっか、ちょっと止めて」

前の兄さんの車が行ってしまうのを少し待っていた。

路肩には雪が残っていて、これでバックとかやるんやろか?とどきどきしていたら

「いいよ。進んで。ココミギ」と言われた。

曲がろうとしたら、歩行者が見えたので、止まってから

手でどうぞ渡ってくださいのサインを出した。

ごくごく普通の行動だと思うのだが、これを試験官がべた褒め。

「すごくいい、すごくいい指示を出したね!」

「ありがとうございます」

「もういいや、まっすぐ行って」

まっすぐ行くと、集合場所横のグランドが見えた。

「ココミギ」

 

何と、もう帰ってきちゃったよ。

「OK、合格!」

「ありがとう!」

思わず握手して降りてきた。

ぐるりと1周走っただけで合格。

多分、あの歩行者がいなかったら右に曲がって

その先で、バックやら縦列やらやったんだろう。

たまたま来てくれた歩行者に感謝。

 

私の前にいた兄さんとほぼ同時に到着だったので

兄さんはびっくりしていた。

彼も合格していた。よかったね。

 

ブルックラインドライビングスクール、お勧めかどうかと言われたら

「わからない」としか言えない。

スクールのレビューをよく読んで、評判のいい人にレッスンを頼めるなら

いいのだけど、そうでなければ私のような経験をすることになる。

試験官だって、私はたまたま日本が好きっぽい人に当たったようだったけど

いつも同じ人とは限らないだろう。

日本の免許をアピールしてもダメっていう人もいるみたいだし。

結局は「いい人に当たるかどうかの運による」としか言えない。

ただ、教習所経由で試験を受けるのはお勧めだと思う。

 

 


人気ブログランキング